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医療用内視鏡の可能性を広げるビデオスコープの種類と特徴
更新日:2022年03月25日
内視鏡検査は、胃、十二指腸、大腸など体の外側からはわかりづらい臓器の病変を観察するために行います。がんなどの早期発見に役立つのはもちろん、多くの疾患の診療や治療において欠かせない存在となっています。
現在はCCDカメラを装着したビデオスコープ(電子スコープ)により、高画質な体内の診断画像の共有が可能になりました。ビデオスコープの解像度は日々進化し、画像処理の技術も発展し続けています。今回は多くの可能性を秘めるビデオスコープの種類と特徴をご紹介します。
医療用内視鏡の可能性を広げるビデオスコープ
人間の体内を調べるために開発された医療用内視鏡はそもそも、「胃カメラ」と呼ばれていました。管のような構造をした消化器などの臓器を観察するため、細くしなやかなケーブルの先端部に超小型カメラを搭載し、手元の豆ランプを操作して撮影するものです。この発展に寄与したのが日本人医師であり、オリンパスでした。
その後、細いガラス繊維を多数束ねたファイバースコープが登場します。ファイバースコープにより、内視鏡は曲折自在で光を通しやすくない観察しやすい医療機器として発展していくのです。1980年代にはついにビデオスコープが登場します。先端部に取り付けられたCCDカメラからの電気信号により、テレビモニター上での画像観察を可能にしました。ファイバースコープよりも優れた解像度で患部を観察できるため、診断の精度が抜群に向上しました。
医療用内視鏡においては、現在もオリンパスをはじめ、富士フィルムなど日本のメーカーが圧倒的世界シェアを誇っています。最先端の画像技術、日本の「モノづくり」の力を駆使し、高画質・高精細なビデオスコープの開発が進められています。
内視鏡システムの構造
内視鏡システムは、大まかにビデオシステム本体とビデオスコープ部に分けられます。まずはビデオシステム本体について解説します。
ビデオシステム本体は液晶モニター、ビデオシステムセンター、光源装置からなります。
ビデオシステムセンターは内視鏡のメインとなる部分です。ファイバー先端部が取得した画像の情報(電気信号)を映像信号として処理し、液晶モニターへ反映します。光源装置とは字面のとおり、光を発生させる装置です。
ビデオシステムには光源装置の役割も担う一体型もあります。周辺機器としてビデオシステムセンターから送られてきた画像を記録したり、管理したりする画像記憶装置を近くに設置する場合もあります。
ビデオスコープの構造
ビデオスコープは、操作部、挿入部、接続部の3つで構成されています。
操作部
実際に操作を行う部分です。内視鏡先端部とつながっているアングルノブを操作し、スコープの先端の湾曲している箇所を上下・左右に回せます。挿入を簡単にしたり、内部での360度の観察を容易にしたりできます。吸引ボタンと送気・送水ボタンでそれぞれ空気や水を送ったり、吸引したりを可能にします。鉗子チャンネルで処置具の出し入れを行います。
挿入部
スコープの先端部分を指します。光源からの光で明るくする照明レンズ、臓器の状態を映像として捉える対物レンズ、空気や水を送り出す送気・送風ノズルからなります。鉗子口は処置具の挿入口である他、組織採取や、病変を切り取るなどの役割を果たす箇所です。
接続部
ユニバーサルコードを経て、ビデオシステムセンターと接続する部分です。
医療用内視鏡スコープの種類と特徴
医療用内視鏡は、消化器の検査で用いられることが知られています。その中でも胃や大腸、小腸など臓器別にそれぞれ適した内視鏡スコープを使います。泌尿器、産婦人科、消化器、耳鼻咽喉科、眼科用などでも使われ、各々の目的で異なる内視鏡スコープが活用されています。
ビデオスコープの種類 | 特徴 |
---|---|
上部消化管用ビデオスコープ | 経鼻・経口で食道、胃、十二指腸など消化管全域内視鏡検査において用いられる。先端部の形状により挿入性が高い直視型、正面からは見えにくい部分の観察に適した側視型、前方も側方もある程度正面視が可能な斜視型がある。 |
大腸用ビデオスコープ | 大腸に特化したビデオスコープ。肛門から挿入する。胃に比べ、形状が複雑で曲がりくねっている大腸へ挿入しやすいよう、細くて柔らかいのが特徴。 |
小腸用ビデオスコープ | 消化管出血、小腸腫瘍、炎症性疾患などの観察および組織採取、ポリープ切除術などを行う際に使用する。小腸に特化した長い内視鏡が用いられる。 |
十二指腸用ビデオスコープ | 胆膵疾患の診断で行われる十二指腸の内視鏡は、スコープ到達が困難な臓器の1つ。直視型では正面視しづらいため、側視型を用いる。 |
超音波内視鏡ビデオスコープ | 超音波(エコー)装置が組み込まれたビデオスコープ。胃や腸の中の空気や腹壁、腹腔の脂肪、骨などの障害物がないため、体の表面からの超音波よりも高い精度の観察を行うことが可能。 |
上部消化管用ビデオスコープ
一般的な消化管全域(食道・胃・十二指腸・小腸・大腸)で多く採用されるタイプのビデオスコープです。先端部分の形状が異なることで、それぞれに適した観察を可能にしています。
挿入しやすいタイプである一般的な直視型、スコープのレンズが側面にあり、直視型では正面視しづらい場合に使う側視型、レンズが斜め方向を向いている斜視型を使い分けるのが一般的です。
大腸用ビデオスコープ
先端は直視型で、肛門から挿入できるのが特徴です。大腸は胃などの臓器に比べると曲がりくねっているため、くまなく観察するために長いスコープとなっています。スリムな患者や女性や高齢者などには細くて柔らかい大腸用ビデオスコープが適しています。逆にある程度がっしりした体型の患者には標準径のスコープが向いており、体型によってさまざまなスコープをチョイスすることも可能です。
小腸用ビデオスコープ
直視型の先端となっています。小腸は位置の特性のため、ビデオスコープにも他と違う特徴を有します。経口の場合、胃・十二指腸よりも深い部分にあり、肛門挿入の際は大腸よりも先に位置するためです。一般的な上部消化管用のビデオスコープ、大腸用ビデオスコープよりも長いビデオスコープを使用します。
十二指腸用ビデオスコープ
十二指腸用の内視鏡は、胆嚢、胆管や膵臓の疾患を診断・治療する目的で実施されます。十二指腸乳頭部が胆管・膵管とつながっているためです。一方で十二指腸乳頭部はアプローチに難をきたす箇所でもあります。
正確な診断のため、正面視を行うためにレンズがスコープの側面にある側視型を採用しています。より細かな操作や処置がしやすいビデオスコープである点が特徴です。先端カバーは着脱式となっています。
超音波内視鏡ビデオスコープ
一般的な超音波(エコー)検査は、体の上から行うことが多くなります。超音波内視鏡ビデオスコープは超音波(エコー)装置が付随しているため、内腔からの検査や診察ができるのです。体の表面からの検査では骨や臓器の空気、腹壁、腹腔の脂肪なども画像に反映されてしまい、正確な診断の妨げとなります。
超音波内視鏡ビデオスコープを用いれば、より観察対象に近い箇所からのエコーが可能で、鮮明な情報を得られるのです。一般外科や泌尿器科 、耳鼻科、婦人科など幅広い領域の検査や治療に用いられています。
ビデオスコープを最新機種に替えれば性能が向上
消化器をはじめ、さまざまな診療科で大きな役割を果たす内視鏡システム。現代医療になくてはならない最新鋭の機器であることは間違いないでしょう。技術の進歩も著しく、常に新しい機器の導入が必要となります。すべての内視鏡システムを一新するのにはコストもかかります。
一方で、内視鏡システムのメインとなるのはやはりビデオスコープです。実はビデオスコープのみを最新に買い替えれば、内視鏡をトータルで機能向上につなげることができるのです。ビデオスコープのニーズは上昇し続けており、特に海外で国産のビデオスコープは高いバリューを維持しています。国産であれば、中古でも高い需要を誇っているのです。
グリーンメディカルではオリンパスを中心に、富士フィルム、ペンタックスのビデオスコープ買取強化しております。 買い替えをご検討の際には、まずはこちらまでご相談ください。 医療機器の専門知識を持ったスタッフが対応しますので、当社にすべてお任せください!
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